みかじめ料の要求
飲食店や風俗店に限らず、企業・個人事業主は、
暴力団から、「用心棒代」などの名目で金銭を要求される可能性があります。
あからさまな「みかじめ料」の要求は、脅迫罪や暴力団排除条例違反などになる場合があるため、
品物の売買やサービスの対価の形式を取る場合もあり得ます。
暴力団に何らかのカタチで関与すると、
不要な商品・サービスの対価として不当に経済的な負担を負うことになりかねません。
そして、従業員にも精神的な苦痛を与えることになります。
さらに、顧客の評価も著しく悪化するでしょう。
暴力団あるいはその雰囲気のある相手から、
金銭を要求されたり、
取引を強要されたりしている場合は、
できるだけ早く、弁護士に相談すべきです。
北海道の暴力団排除条例が改正されて、「すすきの」や「さんろく街」での「みかじめ料」を支払うことについても処罰の対象となっています。
つまり、「みかじめ料」を受け取る側だけではなく、支払う側についても犯罪となりうるということです。
このような条例の定めは、おかしいです。
本来は、被害者のはずの「みかじめ料」を支払わされる側まで犯罪に問われることになります。
憲法違反の問題にもなりそうです。
また、「みかじめ料」を支払わされた「すすきの」や「さんろく街」の経営者が、
「みかじめ料」を支払われている「被害」を警察に申告することが難しくなります。
つまり、被害者がかえって被害を隠すことになり、
暴力団側からすると、「みかじめ料」の関係の継続を迫るために、この条例の定めを脅迫的に利用することも予想されます。
この点で、北海道の暴排条例は、早々に見直されるべきです。
なお、みかじめ料の問題とは話が変わりますが、
暴排条例については、暴力団員の「行為」を問題にするのではなく、
「暴力団の構成員であること」という「身分」だけで本人や家族の社会生活を困難にさせるということには、重大な人権侵害の問題があると考えています。
(2018年1月7日公開のマイベストプロ北海道のコラムを加除修正しました。)
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