フリーランスの移籍制限

 昨年、私の解説した記事が公開されました。

芸能人等の移籍制限や芸名の使用禁止は「優越的地位の濫用」で法律違反になる?

(この公開の際に、マイベストプロ北海道のコラム(2018年2月10日 公開)で次のように補足をしました。加除修正したものを残しておきます。)



 移籍制限は、芸能人やスポーツ選手、モデルなどのニュースになるような職種だけではなく、

SEや通訳などの専門職についても問題となるでしょうし、

業務委託や請負のような形式で仕事を受けている個人事業主にも問題となるでしょう。


 移籍制限が独占禁止法違反にあたる可能性を公正取引委員会が示したのは、

働き方が変化する中で、移籍制限が自由公正な取引を妨げている実例が積み重なっているからだと考えられます。


 独占禁止法は、正式には「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます。

 公正かつ自由な競争を促進する目的の法律です。


 個人事業主として仕事をする事業者も、

個人事業主に仕事を依頼する企業の側も、

その間の契約内容に問題がないかについて、

できれば契約締結の前に、弁護士のチェックを受けておいた方がいいでしょう。


 とくに、独禁法違反やその他の法的問題を指摘されて困るのは企業側ですので、

弱い立場の個人事業主と取引するからといって無理な契約を押し付けるようなことはすべきではありません。